◎今日のテキスト
菜の花畑で眠っているのは……
菜の花畑で吹かれているのは……
赤ン坊ではないでしょうか?
いいえ、空で鳴るのは、電線です電線です
ひねもす、空で鳴るのは、あれは電線です
菜の花畑に眠っているのは、赤ン坊ですけど
走ってゆくのは、自転車自転車
向うの道を、走ってゆくのは
薄桃色の、風を切って……
薄桃色の、風を切って
走ってゆくのは菜の花畑や空の白雲《しろくも》
――赤ン坊を畑に置いて
——中原中也『在りし日の歌』より「春と赤ン坊」
◎マインドフルネスについて「過去でも未来でもなく」
大脳皮質が発達しすぎたせいで、すでに起こってしまったこと、あるいはまだ起こってもいないことに人は悩まされる。過去に起こった災害や事件のイメージにいつまでもとらわれてそのことが頭から離れなかったり、今後またそういうことが起こりはしないだろうか、もっとひどい目にあうんじゃないだろうか、という想像に取りつかれたりする。
そういうとき、「いまここ」というマインドフルネスの意識が役に立つ。いまこの瞬間の自分の呼吸のこと、身体のこと、自分を取り巻く環境のことに意識を向けることができれば、過去や未来の悪いイメージから抜け出て現在の自分に戻ってこれる。そして現在の自分の状況を確かめられれば、落ち着きを取りもどすことができる。
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