2012年2月29日水曜日

2月29日

◎今日のテキスト

 菜の花畑で眠っているのは……
 菜の花畑で吹かれているのは……
 赤ン坊ではないでしょうか?

 いいえ、空で鳴るのは、電線です電線です
 ひねもす、空で鳴るのは、あれは電線です
 菜の花畑に眠っているのは、赤ン坊ですけど

 走ってゆくのは、自転車自転車
 向うの道を、走ってゆくのは
 薄桃色の、風を切って……

 薄桃色の、風を切って
 走ってゆくのは菜の花畑や空の白雲《しろくも》
 ――赤ン坊を畑に置いて

 ——中原中也『在りし日の歌』より「春と赤ン坊」

◎マインドフルネスについて「過去でも未来でもなく」

 大脳皮質が発達しすぎたせいで、すでに起こってしまったこと、あるいはまだ起こってもいないことに人は悩まされる。過去に起こった災害や事件のイメージにいつまでもとらわれてそのことが頭から離れなかったり、今後またそういうことが起こりはしないだろうか、もっとひどい目にあうんじゃないだろうか、という想像に取りつかれたりする。
 そういうとき、「いまここ」というマインドフルネスの意識が役に立つ。いまこの瞬間の自分の呼吸のこと、身体のこと、自分を取り巻く環境のことに意識を向けることができれば、過去や未来の悪いイメージから抜け出て現在の自分に戻ってこれる。そして現在の自分の状況を確かめられれば、落ち着きを取りもどすことができる。

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