◎今日のテキスト
ま、綺麗やおへんかどうえ
このたそがれの明るさや暗さや
どうどつしやろ紫の空のいろ
空中に女の毛がからまる
ま、見とみやすなよろしゆおすえな
西空がうつすらと薄紅い玻璃みたいに
どうどつしやろえええなあ
ほんまに綺麗えな、きらきらしてまぶしい
灯がとぼる、アーク燈も電気も提灯も
ホイツスラーの薄ら明かりに
あては立つて居る四条大橋
じつと北を見つめながら
虹の様に五色に霞んでるえ北山が
河原の水の仰山さ、あの仰山の水わいな
青うて冷たいやろえなあれ先斗町の灯が
きらきらと映つとおすわ
三味線が一寸もきこえんのはどうしたのやろ
芸妓はんがちららと見えるのに
——村山槐多「京都人の夜景色」より
◎声を出しながらの呼吸「ハミング」その2
ボトムブレッシングとおなじ呼吸を使って、今度は響きを意識しながらハミングをする。
ハミングするときは唇を閉じているが、口のなかに空間を作る。「も」という発音をする寸前の口の形は、唇は閉じているが口のなかには空間ができている。その形を保ってハミングする。すると口のなかにも声帯の響きが送りこまれ、唇やその周辺にも震動が伝わってくるはずだ。
ためしに指を唇やその周辺にあててみよう。声帯の振動がそのまま唇のまわりにも伝わっているのが感じられるだろう。
伝わってくる震動を指で確認しながら、ハミング呼吸をする。
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